どんなお店でもコンセプトがなければ、お客様にとって魅力的には写りません。またコンセプトがなければ、美容室の外装や内装、提供するサービスや従業員の雰囲気など、すべてに統一感が無く、チグハグな美容室になってしまいます。美容室を出店し、事業を成功させるには、このコンセプトを明確にすることが必要不可欠になります。
一言で言うと、「誰に」「何を」提供し、「社会的役割/使命」は何か、を明確にする必要があります。
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1.ミッション(使命・事業)は何か?
ミッションとはその事業(=自身の美容室)がどのようにお客様に貢献できるのか、を端的に表現したものです。事業として、大きく、長い間存在し、多くのお客様に支持されるには、多くの人に支えられる必要があります。そのためには、お客様に価値を還元できる事業を自らの事業と定義することが必要です。その事業の価値と独自性が明確であれば顧客のニーズが、その事業を支えてくれます。このミッションの定義をベースに、企業としての目的、目標、それを実現するための戦略、戦術などより細分化した計画を立てていくことで事業プランが明確になっていきます。
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2.顧客は誰か?(ターゲット)
自店のターゲットとすべき「理想的なお客様像」を考えます。「主婦」「OL」「女子高生」といった抽象的なターゲット像ではなく、顧客とするメインターゲットは、絞り込まれた具体的なターゲット像を設定することが肝心です。
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3.顧客へ提供する価値
2で定めたターゲットに、自店が提供できる価値を設定します。カットやトリートメントなど、美容室としての機能的な面での価値の提供と、外装や内装、お店のインテリアやスタッフの雰囲気がもたらす、精神的な価値の両面を検討する必要があります。
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4.成果は何か?
組織が、その事業の使命と目的においての成果は何か定めます。「成果は組織の外にある」と言われていますので、お客様からのありがとうの数を成果にするなど、検討してみましょう。
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5.コンセプトステートメント
コンセプト・ステートメントは、商品・サービスのUSP(Unique Selling Proposition)を含む自分が何者であるかという素性を表現したコンセプトフレーズと、その構成要素を3~4項目にまとめます。ターゲットやポジショニング、伝えたい顧客のベネフィットが明確に表現できていることが重要になります。
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6. 約束 / 行動指針(クレド)
お客様への意思表明とスタッフへのお店の方向性を示す、規範となるものです。クレドとは「信条」を意味するラテン語で、「信条や行動指針を簡潔に記したもの」を表しています。
自店のオリジナリティ(独自性)を打ち出す「差別化のための3つのチカラ」
美容室の開業後、自分らしいサロン経営を継続させるには、「集客力」「サービス力」「営業力」のバランスが大切になってきます。
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1. 集客力
「集客力」は開業後の売り上げを左右する最も重要な要因の1つであるということができます。いくら自分らしいお店が実現しても、その店舗にお客様を呼ぶことができなければ、売り上げにつなげることはできません。
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2. サービス力
「サービス力」はカットの技術力や付帯サービス、スタッフのコミュニケーションなどです。独自の技術やサービスがあれば、それは強力な「サービス力」となり、他店との差別化を図ることが可能になります。
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3. 営業力
「営業力」は、スタッフは何人体制で、カット面はいくつにするのかといった機動力が問われます。人数やカット面数が多ければ多いほどよいというわけではありません。あくまでも自分の目指すサービスとのバランスや収益性を考えることが重要です。