民間金融機関は推薦状を持参して窓口へ
都市・地方銀行、信用金庫といった民間の金融機関から、融資をうける方法もあります。国民金融生活公庫に比べると審査は通りにくく、各金融機関の経営状況のほか、支店の運営上の都合に左右されます。また、国民生活金融公庫との決定的な違いは、はじめてのお客様には、基本的に融資を断っているという点です。
この場合、「制度融資」や商工会議所などからの推薦状を発行してもらえれば解決します。やはり審査が必要で、いくつか条件がありますが、さほど難関ではありません。ただし、推薦状があっても、あくまで「あくまで融資の審査を受けられる資格」を得ただけで、借入可能になったわけではありません。
比較的審査の通りやすい国民生活金融公庫
自己資金や出資金だけでは開業資金が足りない場合、不足分は融資制度を利用する方法があります。おもな資金調達先は、国民生活金融公庫や民間の金融機関です。
国民生活金融公庫は、全国に窓口を持つ政府系金融機関です。「国民経済の健全な発展」と公衆衛生などの「国民生活の向上に寄与」することを目的として事業を運営し、「新規開業ローン」「新創業融資」など、新規に独立・開業される方々を対象とした、開業資金の融資制度が用意されています。国民生活金融公庫は民間金融機関とは異なり、そもそも預金業務を行っていないため、これまでの取引実績や付き合いがなくても全く問題はありません。
事業資金融資の具体的な内容は、大きく分けて以下の2つです。
- 店舗・事務所などの購入・賃借や、機械などの購入などの「設備資金」
- 人件費や仕入などの支払いのための「運転資金」
審査期間は、約1か月~2か月と少々長めですが、幅広い業種に対応しているのと、審査にも通りやすい点が長所です。
「新規開業ローン」の特色
- 契約時の金利が最後まで適用される固定金利である
- 事業資金としては長期の返済期間が組める
- 元金返済の措置期間を設定できる(1~3年以内)
- 事業開始後5年までの方がご利用可能
※変更されますので最新の情報を参照してください
新融資制度「新創業融資」のメリットとデメリット
国民生活金融公庫では、保証人なし、担保なしで融資する制度「新創業融資」が用意されています。「新創業融資制度」は普通貸付、新規開業資金などの融資について、担保と保証人を不要とする制度です。自己資金の2倍、最高1,000万円まで無担保・無保証で融資を受けることができます。「新創業融資制度」は、生計を別にする第三者の保証や不動産担保などを不要としていることはもちろん、会社で借入する場合に必要とされる、会社代表者個人の保証をも不要としていることが、最大の特徴です。
その反面で「新規開業資金」融資制度に比較してみると、融資限度額が低い(「新規開業資金」なら運転資金でも4,800万円まで融資可能)、借入金利が新規開業資金の融資金利より1.2%高い、設備資金の返済期間が短い(最長7年まで)、といったデメリットもあります。
国民生活金融公庫の融資の流れ
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1.「借入申込書」「創業計画書」「企業概要書」の入手
国民生活金融公庫のホームページから、記入例とともに、ダウンロードできます。国金の支店でも受け取ることができます。
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2.「創業計画書」等、融資申込書類の作成
「借入申込書」「創業計画書」「企業概要書」を記入例に従って作成していきます。「創業計画書」の記載内容とその根拠づけ、設立から3年分の損益計画、資金計画、予想賃借対照表の作成がポイントになります。
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3.融資申込
管轄の支店に持参もしくは郵送。国金ホームページからの申込も可能です。
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4.面談、実査
原則として国金の管轄支店での面談と、営業所、工事等、現場の実査。事業の計画などについて質問されます。
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5. 契約
融資が決定したら、契約書類が郵送されます。
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6.融資実行
契約手続きが完了したら、融資金が指定口座に振り込まれます。
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7.返済開始
返済は、毎月返済が原則です。
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