美容室の繁盛はスタッフの教育で決まる
あなたの美容室が繁栄するかどうかは、スタッフのレベルによって決まると言っても過言ではありません。そのためには、技術面での教育はもちろんのことですが、スタッフ教育にも力を入れて行くことが大切です。スタッフには経営者の方向性や考え方を十分に理解してもらい、心強い協力者になってもらう必要があります。そこで多くのスタッフの将来の夢、そして目標である「美容室経営者」に必要な経営者教育を行っていくと、スタッフは大きく成長します。
例えば、お店の現在の経営状況分析を全員で行ってみることで、スタッフはこれまであまり考えることのなかった、お店の経費がどれだけかかっているのかを知ることができます。材料費圧縮など、経費節減のための方法を話し合い、実行していくことで経営への参加意欲がこれまでよりも向上するはずです。
経営者教育の実施は店内の人間関係も良好にします。そしてこのことが、スタッフの定着率を高めることにつながり、結果としてさらなるお店を大きく成長させていくことにつながります。
スタッフ教育の際は、オーナーが教育するのではなく、定期的に外部講習、または外部講師を招いて、オーナーもスタッフと一緒に参加し、全員で勉強する方法が非常に有効です。オーナーとスタッフの考え方を合わせることで、さらにまとまりのあるお店へと、大きく変わっていくのです。
経営者教育を実施することで、「オーナーにすべての権限を集中させていたお店」から、「次世代リーダースタッフの育成」につなげていきます。
独立をテーマにスタッフを教育する
スタッフとお店に共通する目的を打ち出す
一般的に、レベルの高い学校、企業にはレベルの高い人材が面接に集まります。その中から自店に適したスタッフを採用できるので、ますます人のレベルが高くなります。そこで美容院でレベルの高いスタッフを採用するにはどうしたらいいのかを考えると、多くの美容師の最終的な目標は、「将来独立して自分の店を持つこと」であると考えることができます。
ここで自分の店舗のテーマを「将来独立を目指すスタッフのお店」と定めることで、スタッフそしてお店の共通の目的とメリットが生まれ、スタッフを一本化することができます。
またスタッフの将来の独立をテーマとすることで、これまでのお店のあり方やシステム、スタッフ教育内容を見直し、すべてのスタッフの将来の独立をテーマとした内容に変えていきます。具体的には完全歩合給へ移行、リピート率上位者優先入客などは、一見厳しいと感じられるかもしれませんが、将来独立を目指すという志を持つスタッフには当たり前のことと言えます。
独立後のための教育なら真剣に取り組む
また、スタッフの将来の独立をテーマとした教育を行っていくことで、これまでの技術中心の教育とは異なり、スタッフも自分自身の将来に役立つ勉強をすることになるため、真剣に取り組むようになります。
特に、リーダーシップ教育を自ら独立した際の事前準備の一環として位置づけることで、お店のチームワークが非常に良くなります。また、マーケティング教育を行うことで、自ら独立した際の具体的な販促活動を独立前に企画し、実際に行い、その結果を将来の経験として活かすことができますから、スタッフの販促に関する意識が大きく高まります。
アシスタントの有効活用法
アシスタントに対しては、オーナーは早い時期からレベルアップのための教育に全力を注ぐ必要があります。その理由は、アシスタント時代にお客様からの総合評価の低いスタッフは、スタイリストになってからも伸び悩む傾向にあるからです。
専用メニューでアシスタントに責任感を持たせる
具体的には、アシスタントが先輩の手助けなしで、1人で責任を持ってお客様を担当し、料金をいただく「アシスタントメニュー」を用意することです。そのことでアシスタントはやりがいと責任感を持ち、お客様に接する緊張感も感じ取ることで、成長のスピードが加速します。
特にスタイリストデビュー前のスタッフには、アシスタント専用メニューでどんどん入客させ、お客様に慣れさせておけば、スタイリストデビューしてからもいい雰囲気で接客できます。
そのためにも、アシスタントにもアシスタント独自の名刺を用意してあげましょう。些細なことかもしれませんが、アシスタントにとっては嬉しいものです。入客したすべてのお客様に名刺を渡すことと、サンキューレターも書くように指示をします。
一言で言えば、アシスタントであっても自分の名前に責任を持たせるということが大切なポイントです。
アシスタントの成長は常連客の喜びにつながる
もうひとつのポイントは、アシスタント専用メニューであっても「リピートさせることの大切さ」そして「そのための方法」を教育することです。
お客様の中には、アシスタントがスタイリストになるのを待ち望んでいらっしゃるケースも多々あります。そんなお客様の期待に応えるべく努力を積むアシスタントが育てば、お店の生産性アップにつながると同時に、店内に活気と明るさが生まれます。アシスタントの成長はオーナーだけでなく、他のスタッフにとっても常連のお客様にとっても、良い循環を生みます。